Windows 10 ProやEnterpriseで利用できるWindowsサンドボックス、ちょっとしたツールのお試しに便利だが、いくつかのツールを組み合わせて使いたいときに、デフォルトのメモリ4GBでは足りないケースがあった。
メモリを増やしたりできないか調べたところ、簡単にできた。また、インストーラーなどのファイルをドラッグ&ドロップでサンドボックスにコピーしていたが、ホストからファイルを共有したりもできたのでメモ。
Windowsサンドボックスの設定ファイル
Windows サンドボックス構成 - Windows security | Microsoft Docs に設定方法が記載されている。
XML形式で設定ファイルを記述し、拡張子を .wsb
にすると、設定ファイルのダブルクリックでWindows サンドボックスが起動する。
コマンドプロンプトなどから、ファイル名を指定することで、CUIからでも実行可能。
設定ファイルから起動しない限り、Windows サンドボックスに設定は反映されない。
設定概要
ファイル全体を <Configuration></Configuration>
タグで囲み、その中に設定タグを追加していく。
今回試したものだけ記載。
仮想GPUの有効化
デフォルトでは無効化されているが、 <vGPU>Enable</vGPU>
で、仮想GPUが有効となる。
ネットワークの無効化
デフォルトでは有効化されているが、 <Networking>Disable</Networking>
でネットワークを無効化できる。
サンドボックスへのフォルダ共有
MappedFolders
タグの中に、 MappedFolder
タグを記述することで、フォルダ単位でのファイル共有が可能。
MappedFolder
タグ内に、 HostFolder
タグでホストのフォルダパス、 SandboxFolder
でサンドボックス内のフォルダパスを指定。
デフォルトでは書き込み可能だが、 <ReadOnly>true</ReadOnly>
を指定することで、読み取り専用にできる。
初期実行コマンドの指定
サンドボックス起動時に、実行するコマンドを指定できる。
LogonCommand
タグで全体を囲み、 Command
タグ内に実際のコマンドを記述。
メモリ容量指定
<MemoryInMB>メガバイト単位のメモリ容量</MemoryInMB>
で、メモリ指定が可能。8GB指定の場合、 8192
となる。
設定ファイル例
仮想GPUを有効化し、メモリは8GB。Dドライブのフォルダをサンドボックス実行ユーザーのダウンロードフォルダに共有し、ダウンロードフォルダを起動時コマンドで開いている。
なお、サンドボックス実行ユーザーは WDAGUtilityAccount
となる。
<Configuration> <MemoryInMB>8192</MemoryInMB> <vGPU>Enable</vGPU> <MappedFolders> <MappedFolder> <HostFolder>D:\installers</HostFolder> <SandboxFolder>C:\Users\WDAGUtilityAccount\Downloads\shared</SandboxFolder> <ReadOnly>true</ReadOnly> </MappedFolder> </MappedFolders> <LogonCommand> <Command>explorer.exe C:\users\WDAGUtilityAccount\Downloads</Command> </LogonCommand> </Configuration>
振り返り
これくらいの設定が、テキストベースの設定ファイルでできるのはありがたい。